2026年市場の嵐 — S&P 5%下落、イラン危機とバリュー投資家のチャンス
2026年市場の嵐 — S&P 5%下落、イラン危機とバリュー投資家のチャンス
S&P 500は年初来-5%。ナスダックは-6%。マグニフィセント7は-11%。
2026年が始まってまだ間もないのに、ここまで市場が揺れるのは久しぶりだ。先週金曜日だけでナスダックが2%下落した。週末に証券アプリを開いた投資家は、胃が痛くなったはずだ。
何が起きているのか、そしてバリュー投資家にとって何を意味するのか整理してみた。
ホルムズ海峡 — 世界の原油20%が懸かった危機
米国政府が世界中の米国市民に向けて渡航警報を発令した。これだけで市場は緊張した。
次がもっと深刻だった。トランプ大統領がイランに対し、ホルムズ海峡を48時間以内に再開放しなければ発電所を爆撃すると脅した。ホルムズ海峡は世界の原油の20%が毎日通過するボトルネックだ。この「ドア」が閉まれば、世界中のエネルギー価格が一気に跳ね上がる。イランはトランプが引かなければ海峡を完全封鎖すると応酬した。
月曜日、開場前から株価は1%下落していた。
そしてトランプが5日間の停戦合意を発表し、イランとの対話が順調だと語った。数時間後、イランが「そのような対話は存在しない」と公式に否定した。
市場は急騰した後、そのまま止まった。
短期予測は時間の無駄
この混乱を見ていて、一つ確信したことがある。
短期的に市場がどう動くか予測しようとするのは、完全に時間の無駄だ。テレビで最も自信満々に語る人が、大抵最も間違っている。ウォーレン・バフェットは何十年も同じことを言い続けている。「市場はあなたに奉仕するために来たのであって、あなたを導くために来たのではない」。市場の感情の揺れは、投資の指示ではない。
私は証券口座をほとんど見ない。本当だ。株が上がって非合理的に喜びたくないし、下がって落ち込みたくもない。ナイキを買うなら三つだけ問う。20-30年後も存在するか?今より多くの利益を生むか?合理的な価格で買えるか?
三つとも「Yes」なら、残りは全てノイズだ。
優良銘柄が52週安値に並んでいる
今、52週安値付近にいる銘柄名を見ると驚く。Visa、Home Depot、SAP、Abbott Labs、Novo Nordisk、Unilever、Progressive、Sony、Stryker、Boston Scientific、Adobe、ADP、Sherwin-Williams、O'Reilly、Nike、Ferrari、Lululemon。
これらの企業が倒産するはずがない。
市場がパニックに陥り、優良企業まで無差別に売っているだけだ。ほとんどの投資家が損をするのは、次の大勝ち銘柄を探そうとするからだ。最高の投資家は逆のことをする — まず敗者を排除する。ここで最大の敗者とは、壊れた企業ではない。間違った価格設定だ。
ノイズの中で今やるべきこと
今週、市場がすべてのヘッドラインを無視して反発しても全く驚かない。それが市場だ。短期的には合理的ではない。悪いニュースに過剰反応し、良いニュースにも過剰反応する。時には完全に無視する。
その予測不可能性こそが、バリュー投資家の武器だ。
ポートフォリオを見る回数を減らせ。低コストETFにドルコスト平均法で積み立て、良い企業を良い価格で買え。10年、20年、30年続ければ報われる。短期的にどうなるかは、私にも分からない。
しかし、Visaが52週安値を付け、Home Depotが1年間横ばいで、Strykerがサイバー攻撃で10%下落しているこの瞬間 — 冷静に数字を見る投資家が、最終的には勝つ。
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Home Depot 52週安値 — $3,300億企業のバリュエーション解剖
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Visa vs Stryker — 52週安値、恐怖が生んだ割引か罠か
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