コリアディスカウント:なぜ韓国株は常に割安なのか?
韓国株式市場に投資されている方なら、一度はこう思ったことがあるでしょう。「なぜ韓国株はいつも割安と言われるのだろう?」今日は、このコリアディスカウントの構造的な原因について詳しく見ていきます。
📊 衝撃的なリターン分布の真実
1982年から44年間の韓国株式市場のリターンを分析すると、驚くべき結果が出ています。**最も頻繁に出現する年間リターンは-10%**なのです。年平均リターンが7%を超えるにもかかわらず、1年投資した時に損失を被る確率はほぼ半分に達します。
勝率が55%しかない市場で「長期投資すれば大丈夫」という言葉は、マーケティング用語に過ぎないかもしれません。なぜ韓国市場はこれほど危険で、リターンが不安定なのでしょうか?
💰 配当利回り1%の実態
コリアディスカウントの最も直接的な原因は、株主への還元が極めて少ないという点です。
- 韓国の平均配当利回り:1%(過去25年平均)
- SKハイニックスの配当利回り:0.1%
- 台湾の配当性向:55%
- 韓国の配当性向:26%
100兆ウォンを稼いでも26兆ウォンしか配当しない国、それが韓国です。中国よりも低い水準です。TSMCの時価総額がサムスン電子の3倍になる理由がここにあります。
🏢 内部持株比率62%の罠
韓国財閥には特異な構造があります。オーナーが直接保有する株式は1%に過ぎないのに、系列会社を通じた内部持株比率は62%に達します。
なぜこれが問題なのでしょうか?
- 敵対的M&Aが不可能 - 外部から会社を変えようとする試みはすべて失敗
- 配当するインセンティブがない - 100兆を配当してもオーナーに入るのは1兆だけ
- 金融総合課税49.6% - その半分は税金として徴収
- 自社株消却の拒否 - 経営権脅威を口実に株主還元を回避
このような構造で、オーナーがわざわざ配当を増やしたり株主価値を高めたりする理由があるでしょうか?正直に言えば、ありません。
📉 アクティビストファンドの限界
最近、韓国でもアクティビストファンドの活動が増えています。確かに前向きな変化です。しかし残念ながら、勝つのを見たことがありません。
- 株主提案は増えているが、実質的な影響は微々たるもの
- 内部持株比率62%の前では外部株主の声は無力
- 国民年金さえオーナー側につく状況
- 個人投資家のほとんども経営陣側
なぜ個人投資家は経営陣の味方をするのでしょうか?正直に言えば、よく分かっていないからです。そして一部の経済紙がアクティビストファンドを「投機筋」としてフレーミングすることもあります。
🌍 グローバル比較で見る割安度
各国のPBR(株価純資産倍率)を比較すると:
| 国 | PBR |
|---|---|
| 米国 | 4.7倍 |
| 日本 | 2.0倍 |
| 韓国 | 1.0倍 |
韓国は2007年のグローバル金融危機直前に1.7倍まで上昇したことがあります。現在は1.2〜1.4倍水準ですが、依然として他国に比べてかなり割安です。
配当性向が高い国ほど高いバリュエーションで取引される—これは単なる偶然ではありません。
🎯 構造的な割安は簡単には変わらない
結論として、コリアディスカウントは構造的な問題です。
- 配当分離課税が導入されても
- 自社株の強制消却が実施されても
- 内部持株比率が60%の状況では根本的な変化は困難
韓国株式市場に過度な期待を持つよりも、特定の市場に集中しない資産配分戦略が賢明かもしれません。
次の記事では、このような環境でも収益を上げられる韓国株投資戦略についてお伝えします。