時価総額4.5兆ドルのアルファベット — 皆が見捨てた株
時価総額4.5兆ドルのアルファベット — 皆が見捨てた株
3年前、誰もが『グーグルは終わった』と言った
結論から言います。AIはグーグルを殺しませんでした。むしろ三つの方向からグーグルを強くしたのです。
3年少し前を覚えていますか。グーグル株は80ドル台まで下落し、投資家はCEOの更迭を求め、市場は『AIチャットボットが検索を終わらせる』という恐怖に支配されていました。私はあの雰囲気を鮮明に覚えています。それが今、アルファベットの時価総額は4.5兆ドルです。これ以上に劇的な逆転があるでしょうか。
モーニングスターの米国市場チーフストラテジストが最近、アルファベットを『今買うべき株』に挙げました。私は有名機関のピックを鵜呑みにはしません。代わりに、自分のやり方で数字を回してみました。その結果は、興味深いものでした。
AIがグーグルに勝つ三つの方法
核心はこれです — AIは検索・クラウド・広告を同時に伸ばしています。
第一に検索。皆が恐れたのとは逆に、AIは検索を『より良く』しています。検索の質が上がれば利用が増え、その分だけ広告収入が伸びます。第二にYouTube。広告の本数と単価が同時に上昇中です。第三にグーグルクラウド。他社に計算能力を貸すこの事業は前四半期に大きく成長し、いまやAIの中核拠点になりました。
つまりグーグルはAIから『より良い製品・より良いクラウド・より良い広告』という三方向で恩恵を受けます。私がこの会社を単なる検索企業と見ない理由がここにあります。
財務が語ること — 品質そのもの
私が企業を見るとき最初に見るのは株価ではなく時価総額です。株価は時価総額を株式数で割った数字にすぎず、実際に買うのは会社全体、すなわち4.5兆ドルの事業です。
純負債を足した企業価値(EV)は4.59兆ドル。約1,000億ドルの差が、現金を除いた純負債です。しかしアルファベットの年間フリーキャッシュフロー(FCF)は昨年640億ドル、直近5年平均680億ドル。計算すれば、この会社は1年8か月で負債を全額返済できます。非常に健全な財務です。
一点触れておきます。FCFと純利益の差です。5年ベースでFCFは680億ドル、純利益は970億ドル。FCFの方が低い。なぜか。データセンターとAIインフラに巨額の設備投資(Capex)を投じているからです。これは危険信号ではなく、未来への投資です。
そして私がこの会社で最も好きな指標 — 利益率です。10年平均26.9%、5年29.4%、直近1年はなんと38%。売上が伸びるだけでなく、売上から利益に残る割合そのものが年々高まっています。資本利益率(ROIC)も昨年13.6%、5年平均18.74%と優秀です。これこそ『クオリティ企業』です。
3年の複利売上成長率は年14%。過去5年でM&Aに使った額は約150億ドルと、時価総額やキャッシュフロー比では微々たるものです。大型買収なしにここまで成長したのです。
では、いくらが妥当か
ここからが本題です。私はアナリスト予想を参考にしつつ、自分の仮定を入れます。
アナリストは今後5年でEPSが14.50ドルから31ドルへ倍以上、売上は7年以内に5,000億ドルから1兆ドルへ(年約10%)伸びると見ています。この規模の会社がこう成長するのは驚異的です。
私がストックアナライザーに入れた10年の仮定はこうです。売上成長7・9・13%、利益率とFCFマージン28・30・32%、10年後に付与するPER20・23・26倍、そして要求リターン9%(安全マージンなしの本質価値算出用)です。
正直に言えば、利益率の仮定は保守的かもしれません。すでに昨年38%を記録したのですから。それが一時的でなく構造的なら、私のバリュエーションは低めに出ている可能性があります。
結果はこうです。現在株価366ドル。割安シナリオ240ドル、割高530ドル、中央値330ドル — つまり今日の価格基準で年7.8%の期待リターンです。
では今買うべきか
私の関心買い値は225ドルです。理由は単純 — 私個人の要求リターンが9%よりずっと高いからです。
誤解しないでください。この9%は『9%のリターンで満足』という意味ではなく、本質価値を計算するための道具にすぎません。本当に9〜10%で満足なら、個別株リスクを取るより低コストETFを買う方が賢明です。必ず安全マージンが必要です。
ウォーレン・バフェットが1987年にコカ・コーラをPER30倍で買っても年約12%を稼いだことを思い出してください。高いPERが即『割高』ではありません。資本利益率が高く、成長し、生活に深く根付いた企業はプレミアムを受ける資格があります。どれだけのプレミアムか — それが投資の芸術であり、最も難しい部分です。
私にとってアルファベットは『待ちの問題』です。優れた会社なのは明白ですが、私の望む価格ではありません。あなたの要求リターンは私と違ってよく、それはあなた自身が決めることです。
FAQ
Q: AIチャットボットは結局グーグル検索を置き換えませんか? A: 今のところデータは逆を示しています。AIは検索の質を高めて利用と広告収入をむしろ増やし、グーグルは検索・YouTube・クラウドの三方向でAIの恩恵を受けます。
Q: 昨年の利益率38%は持続可能ですか? A: それが核心の問いです。10年平均26.9%から急騰した数字なので、一時的とも構造的とも取れます。構造的なら現在のバリュエーションは見た目より割安かもしれません。
Q: PERが高く割高では? A: PERだけで割高・割安を判断してはいけません。利益が毎年より速く伸びているなら、高いPERも正当化され得ます。バフェットのコカ・コーラが典型例です。
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