23%配当の罠:落ちるナイフに配当がついているとき
23%配当の罠:落ちるナイフに配当がついているとき
同じ利回り、正反対の意味
同じ23%の利回りが、ある投資家には贈り物で、別の投資家には警告です。違いを知らずに買えば、最も家賃に見える銘柄が、実は自分の元本を最も速く奪う銘柄かもしれません。
PennantPark(PNNT)を独立した一本の記事で扱う理由はここにあります。これは単なる銘柄分析ではなく、高配当株で富を築く投資家と一文無しになる投資家を分ける、たった一つの概念についての話です。
利回りは分数 — 上がる二つの道
利回りは分数です。上に年間配当、下に株価。値が大きくなる道は二つしかありません。
良い道:分子(配当)が増える。会社が成長し、昨年より今年多く配当を払う場合です。健全な事業がその成長を株主と分け合っています。
悪い道:分母(株価)が小さくなる。配当は据え置きか減るのに、株価がより速く崩れる場合です。数値上は利回りが上がったように見えても、実際は何かが間違っていて会社が安くなっただけです。
二つの銘柄が同じ利回りを示しても、一方は贈り物、一方は警告。その違いがすべてです。そしてPNNTは警告の側にあります。
利回り追求者が買う前に見ないチャート
PNNTの毎月配当が過去10年でどう動いたかを追います。
- 2016年:1株あたり月約28セント
- 2017年初頭:18セントへ減配(−36%)
- 2020年半ば(コロナ):12セントへ再び減配(−33%)
- 2023年半ば:21セント付近まで回復
- 2023年末:約7セントへ3度目の減配(−67%)
10年間の純結果は、毎月配当が出発点から約75%減少したことです。ですから今日画面に映る大きな利回りは、PennantParkが多く払うからではありません。株価が減配よりも速く崩れたからです。これは高配当株ではなく、配当のついた落ちるナイフです。
今日PNNTが実際に払うもの
利回りは23.59%。10万ドルで年23,592ドル、月1,966ドルです。2,000ドルの平均家賃の隣に置けば、ほぼ全額を賄う数字です。
しかしPNNTが他のすべての銘柄と違う点は、減配ではありません。所得を受け取る間に元本に何が起きるかです。過去10年でPNNTの株価は年平均約**4.72%**下落しています。
1年目の計算をしてみる
ジョンが10万ドルを入れます。1年で23,592ドルの配当を受け取ります。本物の、美しい数字です。しかし同じ1年で、彼の10万ドルは4.72%減ります。−4,720ドル、消えた資本です。
1年目の純リターンは? 約18,872ドル。確かにまだ高い。数学的にはなんとか回ります。問題は、この同じパターンを10年先に進めたときです。
10年シミュレーション:約束が溶ける
同じパターンを10年回すと、10年目にジョンの10万ドルは約6万4,717ドルになります。**−35%**です。
そして配当が何とか維持されても(減配チャートはまず無理だと言いますが)、月間所得は1,966ドルから約1,272ドルへ減ります。所得が口座とともに縮むからです。
仕組みは単純です。口座が減れば配当も減り、「家賃を賄う」約束が年々溶けていきます。家賃を払うために買ったものが、徐々に家賃を払えなくなり、その間に元本も消えます。
この罠が教えること
PNNTは今日は家賃を払います。5年、10年後にはおそらく払えません。そして出発した10万ドルは、その頃には6万4,000ドル程度しか残っていないでしょう。
最も家賃に見える数字が、実は元本を最も奪う可能性の高い数字だということ。これが罠です。利回り追求者の多くは、元本がすでに消えた後にようやくこれに気づきます。
毎月配当のはしご全体を段階ごとに比較した分析は、家賃を払う毎月配当株5銘柄の記事で扱っています。
FAQ
Q: 利回りが高ければ必ず避けるべきですか? A: いいえ。鍵は「なぜ」高いかです。配当成長で上がった利回りは健全な兆候のこともありますが、株価崩壊で上がった利回りは危険信号です。配当履歴と株価トレンドを併せて見てください。
Q: トータルリターンの観点でPNNTをどう見るべきですか? A: 配当だけを見てはいけません。受け取った配当から元本の損失を引いたものが本当のリターンです。PNNTの年約4.72%の元本毀損は、配当の大部分を食います。
Q: では高配当株はすべて危険ですか? A: いいえ。同じはしごのMain Streetは通常配当を一度も減らしていません。減配の履歴と長期の株価トレンドが、罠と本物の払い手を分けます。
同じカテゴリーの記事
なぜドルは再び強くなるのか:私の為替ポジションを全公開
なぜドルは再び強くなるのか:私の為替ポジションを全公開
ドルインデックス(DXY)は99.75を死守し、100.5、さらに102を視野に入れています。実際に保有するUUPロング(評価益約4,000ドル)、ポンド・ユーロのショート、円ロングのセットアップを、ファンダメンタルスコアとともに解説します。
スナップチャットが教えてくれたこと:SpaceX IPOをどう見るか
スナップチャットが教えてくれたこと:SpaceX IPOをどう見るか
過去15年の主要IPO30社の上場1年後の平均下落率は約55%でした。3カ月で300%上げたCoreWeaveも同じリストにあります。SpaceX IPOを前に、華やかなデビューの裏に何が待つのかをスナップチャットの事例で読み解きます。
史上最大のIPO、スペースX上場 — 赤字巨大企業のナスダック直行が突きつける問い
史上最大のIPO、スペースX上場 — 赤字巨大企業のナスダック直行が突きつける問い
スペースXが史上最大規模で上場し、取引開始からわずか5分で±10%超の変動を見せ、わずか15日でのナスダック指数組み入れが予告されました。赤字の巨大企業を急いで指数に押し込む流れが何を意味するのかを整理します。
次の記事
子どもが生まれた日にS&P 500へ1万5千ドルを入れて18年放置したら
子どもが生まれた日にS&P 500へ1万5千ドルを入れて18年放置したら
出生直後にS&P 500(VOO)へ1万5千ドルを一度だけ入れ、529プラン内で18年間放置すると約17万2,458ドルに。しかし2044年の4年制州立大学の総額27万6千ドルには届かず、3年生の途中で口座が枯渇します。
529プラン vs 通常証券口座:同じ投資で3万5千ドルの差
529プラン vs 通常証券口座:同じ投資で3万5千ドルの差
同じ2万ドルをVOOに18年寝かせても、通常の証券口座は約19万5千ドル、529プランは22万9,944ドル。ファンドも市場も同じで、口座が違うだけで3万5千ドルが消えます。
開始額に5千ドル足すと、18年後に5万7千ドル増える
開始額に5千ドル足すと、18年後に5万7千ドル増える
出生時に1万5千ドルではなく2万ドルをS&P 500に入れると、わずか5千ドルの差が18年後に5万7,486ドルに膨らみ、大学4年分を全額1,578ドルの余りとともに賄います。複利は開始額に最も大きく報います。
以前の記事
DRIPにもう一層を足す:配当スノーボールを30年で爆発させる2エンジン戦略
DRIPにもう一層を足す:配当スノーボールを30年で爆発させる2エンジン戦略
配当再投資(DRIP)だけでは遅い。週25ドルの定期積立を組み合わせると2つのエンジンが同時に回り、30年後には約76万ドルのポートフォリオへと複利で育ちます。
高利回りを追うな:4つのフィルターを通過した5銘柄の配当ポートフォリオ
高利回りを追うな:4つのフィルターを通過した5銘柄の配当ポートフォリオ
多くの配当ポートフォリオは高利回りを追って失敗します。ブルーチップ・配当貴族・配当ETF・高成長配当株という4つのフィルターを通過したUNH・HD・ADP・SCHD・MSの5銘柄を分析します。
週25ドルで引退できるか?76万ドルを生む30年の数学
週25ドルで引退できるか?76万ドルを生む30年の数学
週25ドル、生涯でわずか39,000ドルを入れると、30年後にはポートフォリオが760,788ドルに育ち、年60,390ドル、月5,032ドルの配当を生みます。年ごとの軌跡を解きます。