量子コンピューティング株は次のNvidiaになれるか?数字で見る冷静な分析
🚀 ウォール街が注目する量子コンピューティング
Nvidiaが世界で最も価値のある企業になった今、すべての投資家が同じ質問をしています。「次のNvidiaはどこにあるのか?」 ウォール街はその答えを見つけたと言っています—量子コンピューティング株です。
みずほのトップアナリスト、VJ・ラケシュ氏によると、量子コンピューティングには以下のような可能性があります:
- 📈 10,000倍の性能向上の可能性
- 💰 TAM(総市場規模)が2025年の10億ドルから2035年には2000億ドルに成長予想
- 🎯 10年で200倍の成長
🔬 注目の3つの量子コンピューティング株
1. Rigetti Computing (RGTI)
- 超伝導量子コンピューティングのリーダー
- 独自チップの製造とフルシステムの販売
- Amazon、Microsoft、米エネルギー省と提携
- 18システムを展開済み
- 99.5%のゲート忠実度技術を保有
- 2027年までに1,000+量子ビットを目標
2. ION Q
- NYSE初の純粋な量子コンピューティング株
- ネットワーキング、サイバーセキュリティ、センシングに注力
3. D-Wave (QBTS)
- 量子コンピューティングの先駆者
- 量子アニーリング専門、ゲートベースシステムへ拡大中
⚠️ ここで数字を見なければなりません
ワクワクする話ですよね?でも、本当の投資家ならここからが重要な質問の時間です。
「価格はあなたが支払うもの、価値はあなたが得るもの」
これは新しい投資家が最も見落とすポイントです。素晴らしいストーリーと素晴らしい投資を混同してしまうのです。
Rigettiの実際の数字
| 指標 | 数値 | 意味 |
|---|---|---|
| 時価総額 | 74億ドル | 巨大な期待値 |
| 年間売上高 | 750万ドル | 地元のアパート事業より小さい規模 |
| 年間キャッシュバーン | 7000万ドル | 売上の約10倍を消費 |
| 純利益 | -3.5億ドル | 大幅な赤字 |
| 株価売上高比率 | 986倍 | Nvidia(22.85倍)の45倍 |
📉 売上推移が示すもの
Rigettiの年度別売上を見ると:
- 73万5千ドル → 820万ドル → 1300万ドル(上昇)
- その後... 1200万ドル → 1080万ドル(下落)
成長していた会社の売上が逆に減少しているのです。なぜでしょうか?正直、誰にもわかりません。
💡 本当の問題:株式希薄化
これらの企業の最大の問題の一つは**株式希薄化(Dilution)**です。
Rigettiは発行済株式数を185%増加させました。これが何を意味するかというと:
- 元々10株 → 現在28.5株
- あなたが10%を所有していた → 今は約3%だけ所有
企業が成長するには資金が必要で、その資金を調達するために株式を発行し続けると、既存株主の持ち分は氷を入れすぎた飲み物のように薄まってしまいます。
🤔 投資家として考えるべきこと
もちろん、この会社が大成功して10年後に50億ドルの売上と15億ドルの利益を出したら?15億ドル × 20倍 = 300億ドル企業になります。現在75億ドルなので4倍のリターンですね。
でも考えてみてください:
- 750万ドルから50億ドルへ?本当に可能でしょうか?
- 同じような会社100社のうち、何社がその目標に到達するでしょうか?
- 到達する過程でどれだけの株式が希薄化されるでしょうか?
🎯 核心となる教訓
最高の投資家はホームランを狙わない。まず悪い投資を排除する。
2020年のEV株やミーム株の熱狂を覚えていますか?間違った価格で買っていたら、大きな損失を被ったでしょう。1900年代以降、何千もの自動車会社や航空会社が成長を目指して消えていきました。
量子コンピューティングのストーリーは興味深く、投資家の注目を集めています。しかし、バリュエーションはファンダメンタルズと大きく乖離しています。
ウォーレン・バフェットの言葉を借りれば:
「投資家としてのあなたの仕事は、今後5年、10年、20年、30年でいくら稼ぐか合理的に予測できる会社を見つけ、今日合理的な価格で買うことです」
これらの会社の未来は?正直、誰にもわかりません。賭けをする人なら、5〜10年後にこの会社が消えている可能性の方が高いでしょう。
✨ まとめ
ハイプを追いかけないでください。あなたは一生懸命お金を稼ぎました。そのお金があなたのために働くようにすべきです。年7〜10%の安定したリターンを得て、複利で増やしていくのも立派な戦略です。
投資で重要なのは忍耐力、規律、そして何を買っているのかを理解するプロセスです。ワクワクするストーリーではありません。