SCHDに10万ドル投資すると30年後に月1万4千ドル? 配当インカム・エンジンを解剖する
SCHDに10万ドル投資すると30年後に月1万4千ドル? 配当インカム・エンジンを解剖する
SCHDは「どれだけ大きくなるか」ではなく「どれだけ払ってくれるか」のファンドだ
結論から言うと、SCHDを測る物差しは口座残高ではなく、毎月入ってくる配当です。私がこのファンドを分析して最初に書き留めた一文がこれでした。株価の上昇はボーナスであって、本業はあくまで配当だ、と。
SCHDの正式名称はSchwab US Dividend Equity ETF。コカ・コーラ、シェブロン、ペプシ、ベライゾンのように、地味だが何十年も株主に現金を還元してきた約105社を保有します。組入れ基準はかなり厳しく、最低10年連続の配当、その配当を増やしてきた実績、そして強固な財務 — キャッシュフロー、低い負債、本物の利益。これを通過した米国配当株のうち、上位100社前後だけが残ります。
配当の仕組みを理解しないとSCHDの話は成立しない
企業は利益を出すと二択を迫られます。資金を残して事業を伸ばすか、一部を配当として株主に返すか。SCHDは後者を選んだ105社を保有します。四半期ごとにその配当がファンドに流れ込み、ファンドが投資家へ支払う構図です。
ここで二つが同時に成長します。株価と、一株あたり配当。両方が揃って伸びるとき、インカムは毎年膨らみます。これがエンジンです。
数字で見るSCHD:配当成長率が重荷を背負う
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 開始配当利回り | 3.29% |
| 10年配当成長率 | 10.43% |
| 年平均株価上昇率 | 9.25% |
注目すべきは10.43%という配当成長率です。株価が年9.25%で伸びる間に、一株あたり配当はそれより速く伸びます。この差がインカム・ストーリーを作ります。
10万ドルをSCHDに入れたと仮定すると、口座はこう動きます。
- 1年目:11万2,540ドル
- 10年目:33万1,146ドル
- 20年目:113万9,327ドル
- 30年目:409万1,465ドル
総額およそ399万ドルの利益のうち大半は株価上昇ですが、約126万ドルは配当を毎年再投資した結果です。より多くの株を買い、その株がより多くの配当を生み、その配当がまた株を買う複利のループですね。
本当の主役はインカムだ
30年目にSCHDは年16万6,111ドル、つまり月1万3,843ドルを配当として支払います。投資家が何もしなくても毎月入ってくるお金です。
最初に入れた10万ドルを基準に、配当がどう這い上がるかを見ると印象的です。
- 1年目:3,290ドル
- 5年目:5,543ドル
- 10年目:1万724ドル
- 20年目:4万1,322ドル
- 30年目:16万6,111ドル
同じ10万ドルなのに、中身の企業が配当を上げ続けるので配当も際限なく膨らみます。私の見立てでは、SCHDの魅力はまさにこの「じっとしていてもインカムが育つ」点にあります。
ではSCHDは誰の答えなのか
SCHDは「最大の給料」を求める投資家の答えです。ただし一つはっきりさせておくべきは、このファンドが答えるのは最初の問い — 最大インカム — だけだという点。最大の残高が欲しければ答えは別のファンド(QQQ)、米国の外へ出たければさらに別のファンド(IEFA)が必要です。一本のファンドが三つすべてを叶えることはありません。
FAQ
Q: SCHDの株価も上がりますか、それとも配当だけのファンドですか? A: 両方です。年平均約9.25%の株価上昇があり、その上に3.29%で始まる配当が毎年10%台で伸びます。ただし評価の中心は配当で、株価上昇はボーナスと見るのが妥当です。
Q: 配当を再投資せずにすぐ使うとどうなりますか? A: 30年目に月1万3,843ドルといった数字は配当再投資を前提にしています。再投資せず即引き出すと、口座成長もインカム増加も鈍ります。退職直前までは再投資、その後に引き出しへ切り替えるのが一般的な戦略です。
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